噛み痕にキス


漸く目が合ったのに、やはり泣きたくなる。

「昼休憩終わる。行こう」

伝票を持って立ち上がった。






視線が痛い。
斜め後ろ。いや、隣で動物たちの配置を変えている。

「お先ー、伊丹。井花、まだ帰んねーのか」
「お疲れっす。ハチ公やってます」
「なんだそれ。おつかれ」
「お疲れ様です」

人事の先輩が声をかけて行ってくれた。
PCに表示された時間を確認しつつ、隣で動物たちを弄る手に気が漫ろになる。

「それあげるから視界に入って来ないで」
「まだ終わんねーの」
「もう終わる!」
「さすが伊丹。時間は守る女」