噛み痕にキス


そうだと答えれば、目の前の、頼めば寝てくれる優しい同期が止めてくれるのか。

死ぬ気じゃないよな。
そんなわけない。
井花には関係ない。

どちらが嘘で、どちらが本当か。

「井花は優しすぎる。そんなにいちいち、他人に心を砕いてたらいくつあっても足らないでしょう。ちょっとは、知らないふりもしてみたらどうなの」
「それやって、何がどうなるんだよ」
「井花の心労が、少しは軽くなる?」
「いや、伊丹は」

水を口に含む。

あたしが、どうなるって?

そんなのこっちが聞きたい。

伊丹も同じようにグラスに口をつけた。それからこちらを見た。