「『自暴自棄で終わらせちゃ駄目だよ』」
井花の言葉なのか。
「はよ終わらせてよ」
呆れたように井花が言う。野ウサギとキツネが戻された。
「井花が変な劇始めるから」
「ウサキツネ劇場、閉幕でございます」
「集中力切れたから行く」
「よしきた」
それが狙いだったらしい。
井花がデスクに戻り、椅子から立ち上がった。
会社の裏の通りにあるアジア料理屋で、あたしはフォーを、井花はまぜそばを注文した。
レモンのような味のする水を飲み、一息ついた。
今週ももう終わる。
壁にかけられた液晶テレビでは、明日も真夏日だろうと言われていた。



