噛み痕にキス


「おやすみ」

上から降った言葉に返事をしたのかしてないのか。

あたしは眠っていた。







電話の音。横にデスクを持つ後輩の茅野がそれに出た。

「え、あ、はい、すみません、少々おまちください……!」

そう言って保留にして、茅野が引き出しをひっくり返すかのように開けて、ファイルを引っ張り出した。

ガサガサと捲り、机に置いていた他の物が倒れる。
あたしは思わず視線を動かし、飲み物とPCが置かれていないか確認した。