腕を引かれて井花の家に戻っていく。
リビングに戻ると、明るかった。眩しくて目を瞬かせる。
「とりあえず風呂入って。帰るのは明日な」
「……着替えない」
「だからいらねーのかって訊いたのに」
呆れたように言って、井花はあたしにタオルを押し付けて追い焚きのボタンを押す。
「これ持ってく」
「あたしのお財布」
「人質。追い焚き終わったら入って」
そう言って玄関の方へ行って出ていった。
財布が人質。確かにあたしはこの状況では帰ることができない。
泣きすぎて、ぼんやりする。そうでなくても普段使わない筋肉を使って、疲れていた。



