噛み痕にキス


「大丈夫、だから勝手に動かねーの」

手の甲をまた撫でられ、不意打ちで動きが再開する。痛いけど、うん、大丈夫になる、はず。

出来て良かったな、と思う。
しないで死ぬより、きっと良かった。





うとうとしていた。
身体には何も身につけていなくて、そのまま微睡んでいたらしい。

ここは、井花の家だ。

帰ろう。

隣で眠る井花には目もくれず、ベッドの下に落ちた下着を拾って身につける。
洋服も、ひとつずつ。

鞄、リビングかな……。

ベッドから立ち上がろうとして、腕を掴まれた。