噛み痕にキス


そうされたのが久々だったからか、それとも井花だったからなのかは分からない。

でも、ただそれだけで泣きそうになった。

これ以上を望むなんて、傲慢だ。あたしは何が欲しいのか。

背中を撫でられて、現実に戻る。

「あたしさ」

顔を上げる。
今更、言い訳のように、弁解のように。

「胸もないし可愛くもないし、こんなだからさ。色気ないって言われたし」

言葉を紬いだ。

「だから、無理だったら、早めにやめよう。あたしの精神衛生と井花の身体的苦痛に考慮して」

言い終えると、井花に脇の下、肋骨辺りを掴まれて持ち上げられる。