多分年齢は同じくらいだと思う。
記憶から、リオは転生する前のわたくしだと推測できる。
リオがわたくしだという確証はないけれど、何故かそう感じた。わたくしの前世なのだと……。
でも、リオの記憶はとても少ない。どうしてわたくしに転生したのかも分からない。
記憶の中にあるのは、とある本の事だけ。
その本の題名は分からないけれど、その本のことが大好きなのだとリオが思っている。そのせいなのか、内容はハッキリしていた。
そして、その本の内容と今わたくしが生きている世界が、瓜二つだということも……。
主人公は、サラ・アルテニーという男爵令嬢。
青緑色のふわふわの髪は見ていて癒される。同じ色の瞳も見ていて心地が良い。
誰からでも愛されるキャラで天真爛漫な庶民的な彼女は、身分違いの恋をする。
領地で仕事を手伝っていた際、たまたま視察に来ていた王太子と話したことで恋に落ちる。