わたくしと、当事者である国王とトーマ様、サラ様以外は、このパーティーが断罪の場になるとは思っても居ないだろう。


結婚ではなく、婚約破棄と国外追放……。


さすがに前日である明日は、わたくしもトーマ様も自由な時間は無いだろうから、きっとこれが最後のお茶会になる。


わたくしの気持ちは、一生胸にしまって生きていくことになるだろう。

もちろん、今日伝えるつもりもない。


少し寂しいけれど、初めからわかっていた結末だ。


わたくしは明後日、この家を出て他国で冒険者として生きていく。

貴族のしがらみからも、王太子の婚約者としての重圧からも逃れて――。


1人で生きていけるのか心配だけれど、そのための準備はしっかりしたつもりだ。


マナーは貴族だけでなく、庶民のものも学んできた。護身術も体術だけではなく、短剣も戦えるくらいの強さは手に入れた。

お金は、宝石類をこまめに売っていたのである程度の蓄えはある。