北国は、夏が近づいても、まだ肌寒い。

いま思えば笑ってしまうような誤解、そして、その勢いで互いの想いをぶつけ合い、翌朝には婚姻届を出しに行くという怒涛の展開から、早くも4ヶ月弱。

卒業旅行がハネムーンになってしまった感じもある。

遠回りの末にやっと結ばれた夜、ユタはすっかり夢見心地で、

「2、3年ぐらい二人きりで過ごしてから、子供は2人欲しいなぁ」

などと言っていたので、

「ユタってば…人生、そんな予定通りにならないよ?」

ちょっと偉そうなことを言ったら、また激しいキスで唇を塞がれた。


北国での新婚生活は、ダミーの恋人として過ごした頃より、ずっと熱く甘い、幸せな日々だ。

しかし、人生は予定通りにならないと言った私の言葉は正しかった。