ミーナは、僕が東京の大学に合格したことに驚いていたが、僕はミーナがまた転校してしまうことを知った子供の頃から、必ず再会を果たすつもりでいた。

離れてからもずっと連絡を取り続けていたから、僕はミーナのことをある程度知っているつもりだった。

彼女は相変わらず友達は作らなかったようで、学校の話題というのは手紙にもメールにも、ほぼ皆無と言えた。

その代わり、本や映画、音楽など、彼女が触れたものについて書かれていることが大半だった。

彼女は、流行に関係なく、好きなものを好きと言える素直な性格で、当時既に「懐メロ」になっていた、Heartの“Alone”が好きと言っていたので、僕はCDを聴いたものだ。

その話を聞いたのは、中学生になったばかりの頃だったので、イディオムなどまだわからず、歌詞カードを照らし合わせながら。