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午前中はA組。


午後からは特別学級。


そして放課後になると彼に1日の報告をする。


そんな生活が3日ほど続いたある日のことだった。


「また午前中だけクラスにいるのかよ」


休憩時間になってA組から出ようとした時、坂下さんが私の前に立ちはだかった。


その後ろには上地さんと秋山くんの姿もある。


教室を出るタイミングを失ってしまった私はその場に立ち止まり、うろたえることしかできない。


「A組には来なくていいってわからないのかよ」


秋山くんの笑いを含んだ声にチクリと胸が痛む。


「そうだよねぇ。だってあんたたち、私らのことは友達だとも思ってないんでしょう? 顔も名前も覚えないんだから」


上地さんが同意する。


「でも私は――」


頑張りたい。


このクラスでも、特別学級でも。


最初は彼を探す目的でこの教室へ戻ってきたけれど、今は違う目的があった。


彼に少しでもいい報告をしたくて、頑張っているのだ。