「で、でも来るってわかっていれば髪の毛をか、顔とか、服とか、どうにかしたのに!」


こんなこと言いたいわけじゃないのに、また文句が先に口から出てきてしまった。


言ってしまった後で下唇を噛みしめる。


私、いつからこんな嫌な女になったんだろう。


「そんな言い方しなくていいじゃない。あんた病人なんだから。じゃあ、ゆっくりして言ってね」


お母さんは何かを感づいたのか、楽しげな声でそう言うと部屋を出ていってしまった。


待って、2人きりにしないで!


なんて言う暇もない。


私は仕方なくゆるゆると布団から顔を出した。


今日は顔も洗えていないし、髪の毛もボサボサだし、こんな姿佳太くんには見せたくなかった。


「体調大丈夫?」