「どこ触ってっ!」


ジタバタ暴れるとその手は服の隙間から入り込み、背中を撫でながら這い上がる。


「やっ!」


素肌に触れる温もりに身体がビクついて、私は手を上に振りかざすと由宇の頬へと落とした。


バッチーン!




「痛いよ」


起きた由宇は上半身を起こすと私の平手打ちを喰らった頬をむくれながら撫でている。


「由宇が悪い!」


私も起き上がって抗議する。


「だってまた亜衣が窓から入ってきたら危ないし」


「だからって勝手に不法侵入する!?」


「一応窓から入る時、お邪魔しますって言ったよ。返事は無かったけど」


あっけらかんと言った由宇に呆れてしまう。