とんでもない報告は唐突にくるもの



「えぇ?!お姉ちゃん結婚するの?!」

ファミリーレストランで姉からの急な結婚報告に座っていられず立ち上がりながら大きな声で問いただした

ザワっ……

一気に瀬夏に視線が集まる

(あ、やばっ……)

恥ずかしさに潰されそうになりながら静かに着席した

「そんなに驚くことじゃないよー」

姉は特大発表したと思わないようないつものようなゆったりとした口調で続きを話した

「私も28だしー、そろそろ安定してきたかなーって思ってたらプロポーズされちゃって」

「うわーいいなー!どんなプロポーズ?!」

「えー聞きたい?」

「当たり前じゃん!!」

「横浜でデートして夜海沿いでね」

「ロマンチック〜♪」

(いいなぁ、お姉ちゃん幸せそう)

「そうそう、母さん達には言ってあるけど瀬夏に言うの忘れてて……」

「ん?なになに?」

「来週、両家顔合わせだからよろしくね!彼にも弟がいるみたい」

妙ににやにやしながらこちらを見る姉に瀬夏は不振な思いを持たずにはいられなかった

「な、なに?」

「いやーなんでも?」

(嘘だ!絶対なんかあるやつ!)


人の反応に人一倍鈍い瀬夏にも裏があることがわかるような姉の反応に怪しい目を向けることができずにいた

(顔合わせの話した時ににやにやしたから……瑞希さんの弟さんのことに関係するのかな?)

「瑞希さんの弟さん会ったことあるの?」

「うん」

「どんな人?」

「会ってからのお楽しみかな〜♪」

軽やかな口調で瀬夏の反応を楽しむように姉が話す。

(た、多分いい人なんだろう!)

瀬夏は切り替えて顔合わせに期待を膨らませていった