「無理をしてはいけません。病院へ行きたくないのなら、僕の知り合いに見てもらいましょう。小さな診療所をしていて、腕は確かですから」


それは有無も言わさぬ声色だった。


少し怒りを怯えているその声に私はうなだれてしまう。


「ごめんなさい……」


「構いません」


純一はそう言うと包み込むような優しい笑顔を浮かべたのだった。