京都、嵐山旅館の若旦那は記憶喪失彼女を溺愛したい。

興奮気味に説明する純一はまるで少年のようで思わず笑ってしまう。


「すみません、また熱くなってしまいました。これを買ったら喫茶店へ行きましょう」


「ここ、喫茶店も入っているんですか?」


「もちろんです。さ、行きましょう」


そそくさとレジで会計を済ませた純一と共に、熱気渦巻く書店を後にしたのだった。