8月25日(後編)

水樹くんの瞳はどこか悲しげで胸が痛くなる。

「紗良ちゃんに八つ当たりしてるよね、ごめん」

「…ううん」

いいんだよ、そんなの。


だからそんな悲しそうな顔しないで。


「飛鳥くんのことを知ったのは昨日のことで…黙っててごめんね?だけど、さっき飛鳥くんが言ってたことは冗談だと思うから」

「それ本気で言ってる?さっきの飛鳥のどこが冗談だと思うの?」

「っ…」


それは……

「紗良ちゃんは鈍感すぎるよ。その鈍感さが俺にはつらい…」

ズキッ…


痛い…ものすごく胸が痛い。


「ごめん。今日は送れない…気をつけて帰って」

そう言うとパッと手を離した水樹くん。

ただ、小さくなる背中を見つめることしかできなかった。


…はぁ…最悪だ。