8月25日(後編)

それって、わたしを気にかけてくれてたってことなのかな?


「せっかくだし、俺も飲んでいい?」

とメニューに手を伸ばす慧くんに、とりあえず頷いて見せた。


「紗良ちゃんって飲める口なんだね」

空になっているジョッキを見ながらそう言われる。

あ〜緊張のあまり、胃が痛い…

未だに頭の中はパニック状態だし、目の前にいる慧くんの存在自体、まだ信じられない。

これは夢なんじゃないかな?って…。


「そういえば、ケビンとアパートが一緒だったよね?」


ビールを注文し終えた慧くんと目が合う。

ドキッ…!


胃も痛いし、心臓も痛い。

「紗良ちゃん?」

「え?あ、うん!同じアパート」

「…動揺、してるよね…いきなりにも程があるよね。ごめん」


と俯く慧くんになんて声かければ…?


色々と混乱しすぎて言葉が見つからない。

「やっぱり今日は帰るよ」