8月25日(後編)

多分ケビンは気づいてる。

わたしの気持ちに。

じゃなきゃ、そんな悲しそうな顔しないよね。


「そういえば、紗良の会社そろそろじゃない?社員旅行」

話題を変えてくれたケビンにホッとする。

「うん、来月の頭の予定だよ。今年は沖縄なんだって」

「沖縄?」

「あんまり気は進まないんだけど、強制って言われたから行かないとだよね」


と思わず苦笑いが浮かぶ。


だけど、行ってしまえば楽しめるだろうし、気分転換にもなるだろう。

「沖縄か…楽しんでおいでよ!せっかくなんだし」

「そう、だよね」

「お土産楽しみにしてる」


そう言って笑うケビンにつられて笑顔を作った。

それから仕事の話しをダラダラして、居酒屋を後にした。


アパートと着くと「紗良、」と呼び止められた。


「はいこれ…さっき言ってたから」

そう言って差し出してきたのは合鍵。

「あ、うん。ありがとう」


そっと合鍵を受け取る。