8月25日(後編)

「お邪魔します」


そう言って靴を脱いであがると、目を見開いた。

「ケビン、これ…っ!!」

「気に入ってくれた?」


そこには、部屋いっぱいに誕生日の飾り付けをした景色が広がっていて、思わず感動してしまう。


「ビックリした?」

とケビンが顔を覗きこんでくる。

「うん、ありがとう!ケビン」

「誕生日、おめでとう」


ケビンはそう言うと優しく抱きしめてくれた。

このケビンの気持ちが何より嬉しい。


「よし!じゃ〜さっそく飲も!」


テーブルを挟み、先ほど買ってきたものたちを広げる。

「かんぱーいっ」

ケビンの声と共に、グラスのぶつかる音が響く。


そのまま一口だけ飲むとグラスをテーブルに置いた。

ケビンはシャンパンが好きらしいけど、わたしはいまいちシャンパンの美味しさがわからずで…

これまでもグラスを空にできたことはない。


「紗良は今年の誕生日も彼氏できなかったね」


とおつまみに手を伸ばしながらケビンが言う。