8月25日(後編)

「どうしてですか?」

「…お願い…報告はしないで?」

「……わかりました…」


ケビンはわかってくれたようで、スマホをポケットに直した。

「ごめんね?」

と謝ると、悲しそうな瞳を向けられ、その瞳から逃げるように視線を窓の外に向けた。


空っぽになったわたしと違って、満面の笑みで写っていた慧くんは、もう住む世界が違う気がした。

そんな慧くんの中に、わたしがいるとは思えない。



それからケビンは次の講義へと向かった。


「へ〜慧って人、彼氏だったんだ?」

ムクッと起きあがった小夏に驚く。

いつから起きて聞いてたの!?

「紗良の元カレとはね〜」


そう言いながら背伸びをする小夏を横目に窓の外を見つめる。


「なんであんなこと言ったの?」

「え?」

「2人を会わせたいって思ってたんでしょ?元カレ。なのに何で?こうして会えたこと伝えてもらえばよかったじゃん」