8月25日(後編)

「じゃ、今今プロポーズしなくてもよかったんじゃない?」

そう言った平野くんに頷けるところはある。


こういった言い方は違うのかもしれないけど、和子はあと2年待たされるってことになるよね?

それなのにどうしてプロポーズを?…

「俺もそこは悩んだところなんだよね。でも、俺より先に和子は社会人になるから…そういうのを考えると、婚約しておきたかった」


…なるほど。

朝陽らしいや。

確かに、和子もわたしも専門学校ということもあり、来年の4月からは社会人となる。


まぁ、採用されればの話しだけど。


「2年待つことにはなるけど、朝陽の気持ちが何より嬉しかったし、2年なんてあっという間に過ぎるから余裕だよ」

と笑う和子。


すると「紗良は?いい人見つかった?」と朝陽の視線が向けられる。

「わたしは全然だよ。周り女子しかいないからね」

とジュースを飲む。


「紗良ちゃんは彼氏作っちゃダメだよ。慧がいるんだし」

「……」


慧……

その名前を聞くのは久しぶり。