8月25日(後編)

ーー数ヶ月後…


「温かな春風に誘われて……」

なんで校長先生の声を聞くと眠くなるんだろう。

と出かけたあくびを我慢する。


ふと隣に座る平野くんを見ると、見事に豪快なあくびを見せてくれた。


今日は卒業式。

窓から入り込む春風に口角があがる。

これだから春は大好きだ。


「皆さんの前途に幸多かれとお祈りし、式辞といたします」


気づくと校長先生が頭を下げていた。

ふぅ…

今日でこの学校ともお別れか〜。


ふと入学式のことを思い出す。

あの時のわたしは人生どん底だった。

何事もなく、ただ平穏に…


友達なんていらない…

そう思いながら入学したっけ。


そんな自分が懐かしいや。