8月25日(後編)

だから、この雰囲気の中で勉強できるのはわたし的には有難い。

「慧のやつも、英語に本腰入れたみたいで、ノリ悪くなってつまんないな〜」

と平野くん。


「そうじゃないと紗良と別れた意味ないじゃん!お互い好き同士なのに…大人の選択をしたもんだよ。わたしなら絶対無理」

和子は朝陽の背中を見ながらそう言った。

大人の選択…


そんなかっこいいものじゃない。


ただ、逃げただけ。

慧くんと、この現実から。

だから、和子が思ってるより、大分かっこ悪いんだよ。

と胸が苦しくなる。


「留学か〜…慧と過ごせるのも、あと1年って思うと寂しいな」

平野くんはそう言うと、カレンダーに目を向けていた。

あと1年……


そんなのあっという間だよね。

はぁ…わたしも頑張らないと!

来年の今頃は、心の底から笑えてるといいな。