8月25日(後編)

店長からのこの言葉を今日はどれだけ待ったことか。


「はいっ、お疲れ様でした」

と頭を下げると速攻で着替えを済ませ、走って家まで帰った。


「おかえり紗良。浴衣出してるよ」

「ありがとう」

今日のお母さんも相変わらずニコニコだ。


こうしてわたしが外に出ることが嬉しいようで、浴衣もわざわざ新調してくれていた。

そんなお母さんの笑顔が見れて、わたしも嬉しい気持ちになる。


「ほら紗良、急がないと時間ないわよ」

と言われ、時計を見て慌てる。



急いで準備を済ませると、最後に水樹くんから貰ったネックレスをつけた。

鏡に写るネックレスを見てはニヤけてしまう。


「可愛い…」

だけどやっぱりわたしにはちょっともったいない気もする。