8月25日(後編)

部屋に通すと、心臓が痛いほど暴れてくる。

っふぅ……っ…


心の中で深呼吸をすると、意を決して口を開いた。


「け、慧くん…」

「んー?」

「……慧くんって進路どう考えてるの?」

「……」


慧くんの瞳が一瞬だけ揺れた気がした。

そして、視線をゆっくり落としていく。


ドキドキドキドキ…


心臓の加速は早まる一方。

「そういうことを聞いてくるってことは、もう薄々気づいてるのかな?」

「えっ…」

薄々気づいてる?

何を?…


それってやっぱり……。


「悩んでる…」

「それって…」

「俺、大学は向こうに行きたい。でも、紗良ちゃんと離れたくもない。だから、悩んでる」