8月25日(後編)

胸に引っかかっていたものがスーっと引いていく。

今の成績で難しいなら勉強するのみ。


バイトも辞めるし、慧くんも語学学校通いで忙しそうだし、勉強する時間ならこれからたくさんある。


「彼のこと、紗良ちゃんは応援したくないの?」

不意に言われた言葉に再び胸が重くなる。

「応援はしたいけど…離れていきそうで怖くて」


埋められないほどの距離ができてしまいそうで怖い。


「そう思ってるのは紗良ちゃんだけなんじゃない?話しを聞いた感じだと、彼は紗良ちゃんのことを誰よりも大事にしてくれてるよ」

「……」

「紗良ちゃんのその不安な気持ちは俺では解決できない。彼にちゃんと伝えてみたら?」

わかってる…


この気持ちは沢田先輩じゃなく、慧くんに伝えるべきだと。

「もしもの話しだけど、彼が外国に行くことになっても、一生会えないわけじゃないよね?」

「…それは…そうですけど」

「紗良ちゃん?色んなことに対して怖がってるだけじゃダメだよ?」


沢田先輩の瞳に映るわたしは、恐怖心でいっぱいだ。