8月25日(後編)

そのあとも慧くんの話しに耳を傾けていた。

少しすると大きな交差点に差し掛かる。

そこで慧くんとはお別れ。


「ごめんね?家まで送ってあげれなくて」

と言う言葉は毎度のこと。

語学学校の場所と時間的に家まで送ってくれるのは難しいらしく、バイトがない日はここまで。


「ううん、大丈夫」

「じゃ、気をつけて帰ってね。家に着いたら連絡して?」

「わかった。また明日」

そう言って足を進める。


ここから家までの道を1人で歩くのにも慣れた。


だけど、いつまで経っても虚しい気持ちには慣れず…

この短いようで長い道のりが嫌いだ。

そして、慧くんに対して素直になれない自分のことも嫌いになる一方。


そんな時だった。

「紗良ちゃん?」

と呼ぶ懐かしい声が聞こえたのは。