8月25日(後編)

何を言いかけたんだろう?

どうして苦しそうな顔してたんだろう…


最近の慧くんはあんな表情をよく見せる。

だけど、深く聞けずにいるのは慧くんからの言葉が怖いから。

きっと、いい話しではないんだと思う。


じゃなきゃ、あんな表情しないよね。


「何突っ立ってんの?」

「え?あ、飛鳥くん…」

見ると、制服姿の飛鳥くんが立っていた。


「紗良、時間ギリギリじゃない?」


と言われ腕時計に目をやると、あと5分でバイト時間。

「ほんとだっ!」

急いで中に入り、バタバタと着替えを済ませると、何事もなかったのようにホールに立った。


慧くんのことも、雑誌のことも気になるけど、今はバイトに集中しないと。

それからは時間が少しでも早く過ぎるように、一生懸命働いた。


その甲斐あってか、いつもより時間が過ぎるのが早く感じた気がした。