触れた唇が少し冷たくて、それが変に刺激してくる。

「っ……」

次第に何もかもが溶けていく。


頭も体も気持ちも全て…

慧くんでいっぱいになる。


「やっぱり今日も甘い匂いつきなんだね」

と向けられた視線が恥ずかしい。

「紗良ちゃん、大好きだよ」


そう言った慧くんが、どこか苦しそうで寂しそうに見えたのはどうしてかな…?

なんて思ったのはほんの一瞬で、落とされていくキスに何も考えられなくなった。




たくさんの好きをもらい、慧くんと並んで寝転ぶ。

隣で小さな寝息を立てながら寝ている慧くんの横顔を見つめると、なぜが胸が苦しくなった。


好き、大好き…

そういう気持ちが次から次に溢れていく。

こんなにもそばにいるのに、慧くんが遠くに感じる。


その距離を埋めるように、慧くんの腕にしがみつくと、そっと目を瞑った。