8月25日(後編)

そんなことを考えながら歩いていると「危ないっ」と咄嗟に平野くんが動くのが見えた。

それはわたしに向けた言葉だったようで…


気づくと平野くんに支えられていた。

見ると、片方のブーツの紐が解けていて、その紐をもう片方の脚で踏んで転ける寸前だった。


「ごめんっ、ありがと…っ」


と言うのが精一杯なのは、支えてくれた体勢的に平野くんと至近距離だったため。

ものすごい勢いで心臓がバクバクいってる。

「紗良ちゃん大丈夫!?」

慧くんの声に平野くんから離れると俯いた。


今、絶対顔赤い…


こんな顔見せられない…!


「…っはぁ。もう限界っ!」

と言った慧くんに驚く。

「逞と奈々、2人で行きなよ。お互い意識しすぎ。紗良ちゃん行こ」


慧くんはそう言うとわたしの手を握り歩き出す。

…え?…

あの2人、大丈夫なの?

と心配になるけど振り向くことはできなかった。