8月25日(後編)

「夏目さんは夢とかあるの?」


平野くんの声に俯く。

夢…

「ううん…わたしは何も」

「そっか。まぁ、夢なんて持ってる人のほうが今は少ないんじゃないかな?」


平野くんはそう言ったけど、それはどうだろう?

だって、わたしの周りはほとんど夢を持った人ばかり。

はぁ…わたしにも夢中になれるものがあればな〜…


最近、進路や将来のことを考えると胸が重くなる。


あと数ヶ月のうちに進路なんて決められるのかな?

「あ、そういえば、姉ちゃんが夏目さんにまた会いたいって言ってた」

「愛さんが?それは嬉しい」

「正月の間はこっちにいるみたいだから、機会あれば会いに来てやって」


と笑う平野くんをよく見ると愛さんに似ている。

姉弟なんだな〜、なんて単純なことを思っていると「夏目さん見すぎ」と顔を背けられた。