8月25日(後編)

ドキドキドキドキと心臓が加速していく。

『もしもし?紗良ちゃん?』

と聞こえた声に胸が熱くなる。


恋しい…今すぐにでも会いたい。

と思ってしまうから電話は失敗だったのかも。

『紗良ちゃん?』

「あっ、はい」


自分から掛けといて黙ったままでいるなんて…

『どうしたの?何かあった?』

と水樹くんの優しい声の奥から微かに笑い声が聞こえてくる。


どうやらまだ平野くんたちと一緒のようだ。


「あ、えっと…少し声が聞きたくなって」

『それは珍しいね?楽しく花火してると思ってたけど?』


なんて言う水樹くんは意地悪だ。

「声聞けたからもう大丈夫、ありがとう」

きっと、迷惑だったに違いない。

さっきから奥で盛り上がる声がそう思わせる。