8月25日(後編)

「あの子とは中学から一緒で、ずっと飛鳥に片想いしてたんだ。それで、飛鳥の連絡先をどうしても教えてほしいとかで呼び出されてた」

「そうだったんだ…」


あ〜…ダメだ。

わたし、盗み見、聞きした上に勝手に勘違いして、むしゃくしゃしてこのブサイクな柴犬のぬいぐるみに2200円もお金注ぎこんだんだ…。


情けない。

「クククッ。勘違いしちゃったんだね?」

と笑う慧くんに頭が一生上がりそうにない。


「俺は紗良ちゃん意外の子に興味はないし、どんなに言われても連絡先の交換とかしないよ」


そう言うと慧くんは優しく微笑んだ。

「ごめんなさい…もう色々…ほんとに」

頭を下げると「クククッ」と再び笑われた。


もう、二度とこういうことはしない。

慧くんのことは何があっても信じよう。

そう思った。


「ところでそのぬいぐるみ、紗良ちゃんが取ったの?」

慧くんはわたしの手からぬいぐるみを取り上げると、まじまじとブサイクな顔を見つめる。