8月25日(後編)

きっと、彼は赤の他人のわたしにそこまでは望んでなかったんだろうけど、あんな表情見せられたらやっぱりね……。

心残りのままゲームセンターを出ると家へと足を向けた。


「はぁ…」

慧くんのことを思うと無意識にため息がこぼれる。


今頃あの子とやり取りでもしてるのかな…。

そんなことを思いながら、最寄りの公園の前を通った時…


ベンチに座る1人の影に目を見開く。


…慧くん?なんで?…

間違いない。

ベンチに座る影は慧くんだ。


慧くんは俯いたままスマホに視線を落としている。

このままスルーすれば気づかれずに帰れるだろう。

あんなやり取りを聞いてしまった今、慧くんと話せるほど気持ちに余裕なんてない。


だから、このまま帰ろう…


と足を踏み出し時だった。

「紗良ちゃん?」