8月25日(後編)

こんなんじゃ、余計むしゃくしゃしてしまう。

なのにやめられない。

こうなったら取れるまでやめないっ!


とお金を入れた瞬間、背後から声がした。


「頭じゃなくて、体にアームをかけてみて」

「え…」

聞き覚えのない声に驚き、振り向こうとすると「あ、振り向かないでそのまま集中して」と言われた。


「もう少し前、かな」

「…この辺、ですか?」

指示された通りにアームを動かしていく。

「うん、いいと思う」


その言葉を信じてボタンを押す。


すると、アームが体をうまい具合に掴んでくれて、そのまま持ち上げてくれた。

「すごい…!」

2200円かけて取れた柴犬のぬいぐるみ。


「よかったね」

と聞こえた声に咄嗟に振り向くと、そこには知らない男子が立っていた。