8月25日(後編)

すると、麻美も振り返って水樹くんの姿を見る。

「ごめん、遅れた」

水樹くんは麻美に頭を下げつつ、そう言って隣に来てくれた。


その瞬間ホッとするものが…。

この時、水樹くんの存在の大きさを改めて知れた気がした。


「紗良の彼氏、さん?」

麻美は水樹くんを見ながら遠慮気味に聞いてくる。

それに「どうも」と頭を下げた水樹くん。


「え、かなりイケメンでビックリ!紗良、いつの間に?」

「……水樹くん、そろそろ行こ」

もう耐えられない。


無理だ。


限界だった。

麻美の存在や声…

それから水樹くんを見るあの瞳全てが。


「紗良ちゃん、よかったの?」

少し歩くと、水樹くんの声に足を止めた。

「…いい…麻美は友達でもなんでもないから」


ずっと苦しんできたのは、やっぱりわたしだけだったんだね。