8月25日(後編)

「紗良ちゃん…?」

ちょっと抜けた声を出した水樹くんでさえ愛おしい。

「好き、」


と気持ちを言葉にすると、水樹くんがゆっくり離れた。

だけど、すぐに抱きしめられ、水樹くんの腕の中から星空を見上げる。

こんな幸せな時間が存在するなんて知らなかった。


きっと、今のわたしは世界一の幸せ者。


とさえ思えてしまうほど幸せだ。


すると、星空を背景に水樹くんの整った顔が近づいてくるのが見え、そっと瞳を閉じた。

そのまま重なった水樹くんの唇は、ほんの少しだけ冷たい気がした。

でもその冷たさが心地良く感じるから不思議。


すぐに離れた水樹くんに寂しさを感じつつ、気持ちは満たされていく。


「バレる前に戻ろ」

と繋がれた手に思わずニヤけてしまう。


なんだか、水樹くんと離れるのが寂しい。