進藤さんは、私に少しでも運動させたくて、このデートプランを考えたのかも。謎解きなら、楽しみながら運動できる。

 そうよね、ぽっちゃり女子に「運動しろよ」って直接言うの、気が引けるものね。なんて、考えすぎか。

 私たちは連れ添って歩きだした。

 一問目がある郵便局には、園内マップを頼りに難なくたどり着いたが、そのどこに謎があるのか、ぱっと見ではわからない。

 歴史資料満載の建物の中を見学しながら目を凝らすと、展示物の中にひっそりと看板が置かれていた。

 さすが挑戦コース。うっかり見逃してしまいそうな場所にある看板を見つけるだけで一苦労だ。

「これ、どう読んだらいいと思う?」

 謎が書いてある看板を見つけ、考え込む進藤さん。

「進藤さんがわからないものを、私がわかるわけが……ん? これ、こう渦巻き状に読めばいいんじゃないですか?」

 看板から顔を上げて進藤さんを見ると、不意打ちでキスをされた。ちゅっと音がしそうな、触れるだけのキス。

 ぶわっと体中が熱くなった。こんな誰に見られるかわからない場所でなんてことを。