ダイエットを決意した私は、まず食事制限をすることにした。

 さらに動画アプリでアパートでも静かにできるエクササイズなどを探し、実践してみることにした。

「あれ、高場さん。絶対足りないでしょ」

 中尾主任にお弁当をのぞきこまれ、笑われた。みんなも笑う。

「足りますし! 大丈夫ですし!」

 今までは笑われても気にしなかった私だけど、これからはちょっと気にするからね。

 コンビニに行くと、美味しい食べ物の誘惑に負けてしまうので、なるべく自炊するようにして、お弁当まで用意した。

 ちょびっとの玄米と、ゆでたブロッコリーと、プチトマト。脂質、糖質は我慢我慢。

 ほら……玄米をしっかり嚙めば、満腹感が得られ……るわけない!

 今までの暴飲暴食で大きくなった胃は、突然少なくなった食事量に悲しさと切なさと心細さを訴えてくる。

 でも仕方ない。福田さんとはたまに更衣室で会うわけだし、最短で痩せなければ。もうあんな感じ悪いことを言われたくない。

 しかし、少量の昼食を終えると、午後三時頃にはお腹がぐうぐう鳴りだした。

 休憩室で水を飲み、空腹に耐え、なんとか無事に日勤を終えた。

 さっさと帰り支度をし、福田さんが来ないうちに更衣室を出た。