「ああ……やっぱりチョコ最高!」
知らない人の言うことをいちいち気にしていたって仕方ない。
進藤先生はこんな私を選んだんだ。それでいいじゃないか。
せめて進藤先生が好きになってくれた、素直で元気な私でいなくちゃ。
「あ、そうだ」
「えっ?」
もぐもぐしながら顔を上げると、進藤先生が神妙な顔をしていた。
やっぱり、たくさん食べているのを周りに見られると恥ずかしいの?
「婚約指輪を贈ろうと思っているんだ。指のサイズを教えてくれないか」
「へ!?」
あまりに予想外な言葉に、スプーンを落としてしまった。お皿の上だったのでセーフだけど、意外に大きな音がした。
「わかりません。指輪なんてしたことないし」
看護師は仕事中に指輪をつけられないので、買ったことがない。
「もったいないので、いらないです。仕事中はアクセサリー禁止なんで」
「それはわかっている。でも、記念になるものを贈りたいんだ」
そう言ってくれるのはありがたいけど、指輪はいらない。なぜかと言うと、太ったり痩せたりすると指のサイズが変わるから。
今の生活で痩せることはそうそうないだろうけど、太る可能性は大いにある。
「じゃあ、ネックレスでどうでしょう」
首の太さも多少は変わるだろうけど、鎖はすぐに変えられる。



