ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました


「送っていく。そのために待っていた。連絡しただろ?」

 あっさりと手を引かれ、振り向いてしまう。

「えっ……」

 待っていた? 私を? 連絡?

 そういえば、進藤先生がこんな時間にいるのはおかしい。ドクターは日勤か当直しかないのだ。

 なので、進藤先生の帰り時間としては不自然。ドクターはいつも午後六時くらいに病院を出ていくのに。

 慌ててスマホを見ると、ちゃんと【帰り、迎えに行くから】と先生からのメッセージが入っていた。「迎えに行く」ということは一度帰宅してから私の終業時間に合わせて迎えに来てくれたのだろう。

「ごめんなさい。今までスマホを見ていなくて」

 お見合いのときに連絡先を交換し、昼にも『また連絡する』って言われていたのに。でも、こんなにすぐ連絡が来ているとは思わなかったんだもの。

「だろうな。仕事中に見ている暇はないかなとも思ったけど」

「わざわざ来てくださったんですか。どうして」

 終業後ずーっと病院で待たれるのも気を遣うけど、いったん家に帰ってからまた来てくれたんだと思うと申し訳ない。