『とにかく女性ならいいんだって。相手のお医者さん、全然結婚する気がないみたい。だから色んなタイプの人を会わせて、刺激をしてほしいみたいなの』

「もしかしたら、デブ専のお医者さんかもしれない、と」

『そういうこと』

 こらこら、そこ同意するなー。

 ドクターも大変だな。本人にその気がないのに、せっかくの休みに何度もお見合いさせられて可哀想。

「んー、わかった。会うだけでいいんだね」

 おじさんには、私が看護学校に入るときの保証人になってもらった恩がある。

『そうそう。お見合いを成功させたいとかじゃないから』

「ならいいよ」

 おじさんのため、私はお見合いすることを承諾した。

 看護師生活で培った仕事用スマイルを駆使し、適当に相槌を打っていればいいだろう。

 それだけでおじさんのピンチが救えるなら……と言いながら、ドクターとのお見合いならさぞかし高くて美味しい料理が出てくるのだろうなあと考え、よだれが出そうになった。