翌朝、目を覚ました私は首の後ろに慣れない感覚を覚えて飛び起きた。

「だ、大丈夫ですか?」

 私の首があったところに、彼の腕が横たわっている。

 どうやら、彼に腕枕してもらい寄り添って寝てしまったらしい。

「ん……? ああ、おはよう」

 進藤さんが眠そうな顔で返事をした。私はパッと視線を逸らす。昨夜初めて結ばれたことを思い出すと、彼の顔を直視できない。しかも、まだお互いに裸だ。

 それはともかく、圧死には至らなかったようで安心した。腕もよく観察したけど、血が止まったりはしていないみたい。

 体はともかく、頭の重量は普通の人とあまり変わらないか。

 ホッと息をつくと、進藤さんが横になったまま私を見上げて言った。

「すごくいい眺めだ」

そう言われてはじめて私は体を隠していなかったことに気づく。

「わああ!」

 慌ててシーツで体を隠した。

 進藤さんのおかげで、私は自分を好きになれそうな気がする。

 太っていたって、進藤さんが好きだと言ってくれたら、このままでも恥じることはないのだと思える。

 ただ、下からのアングルでお腹や胸を見られるのはダメ! それこそ西洋絵画の女神っぽくなってしまう。