食後のデザートまでしっかり完食し、会計をするときにさっきのフロアマネージャーに挨拶をした。
「お騒がせして申し訳ありませんでした」
「いいえ、進藤様とお連れ様に非はありませんから、どうかお気になさらず。またのお越しをお待ちしております」
にこやかに見送られ、私たちはお店を後にした。
「すっごく美味しかったです。夢みたいでした」
高級中華の味を思い出すと、今でも心がホクホクと温まる。
特に、肉汁たっぷりの小籠包が絶品だったなあ。
今日のラインナップを思い浮かべつつ、進藤さんについていく。
駐車場へ向かっているかと思いきや、足元のやけにふわふわとした感触で我に返った。
うつむくと、絨毯が敷き詰められた廊下が目に入る。
「あれっ。こっちって、客室じゃないですか?」
駐車場に行くはずなのに間違って客室のフロアに迷い込むなんて、進藤さんらしくない。
きゅっとジャケットの裾をつまむと、彼は振り向いた。
「言ってなかったっけ」
「なにを?」
「部屋を予約してある」
部屋を、予約?



