ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました


 ひとりじゃ味を感じられなくなったかもしれない。でも、今は進藤さんが一緒にいる。

「ああ、美味しいものって一瞬で人を幸せにできますよね。ほんと、すごいです」

「はは。俺には千紗の方が、よっぽどすごく感じるよ」

「え? どこがですか?」

 さっきの無表情な進藤さんとは別人のように、柔らかく微笑む。

「美味しい料理より、俺を幸せにしてくれるから」

 濁っていた空気が瞬く間に消し飛んでいくような気がした。

 私より、進藤さんの方がすごい。たったひと言で、私をこんなにも満たされた気分にしてくれるんだもの。

 彼の笑顔につられるように私も微笑んだ。