三日後、夜勤明け。
「とうとうこの日が来てしまった」
進藤さんは、仕事に出かけている。
帰ってから夕方まで寝た私の体力はすっかり回復していた。慌ててベッドから飛び起き、出かける準備をする。
昨日の夜勤中に進藤さんから【明日の夕食はなにか食べに行こう】とスマホにメッセージが入っていた。
私が夕食を用意する前に言っておこうと思ったのだろうけど、それも私を緊張させる。
もしや、私の体力の消耗を防ごうとしている? あるいは、いいムードにするため?
深読みしすぎかもしれないけど、それくらい私はナイーブになっていた。
お風呂に入り入念に準備をする。進藤さんが家にいるとしにくいケアを重点的にやった。つまり、脱毛など。
裸のまま、全身鏡の前に立つと、目を覆いたくなった。
なんだっけ。あの、昔の西洋絵画の……『ヴィーナスの誕生』だっけ。大きな貝殻の上に乗った豊満ボディの女の人。あれを髣髴とさせる。
色々と努力を続け、少しずつ体が変わっていることはわかる。けど、進藤さんが言った通り、いきなりガリガリにはならない。



