糖尿病になったりすると、急な体重の乱高下があるらしい。くわばらくわばら。

「さて、お風呂に入って休むとしますか」

 ゲームをしている間に、進藤さんは先にお風呂に入っていた。

 白衣を着ているビシッとした姿と、部屋着でリラックスしている姿はギャップがあって、ドキドキする。

 彼のこんな姿を見られるのは、私だけなんだ。

 さて、彼に見惚れているうちに汗の臭いで嫌われたらいけない。

 よいしょと立ち上がろうとしたが、できなかった。

 進藤さんが私の両肩を、優しく押さえていたから。

「あの?」

「俺も一緒に入ろうかな」

「え、ダメです」

 即答すると、彼はプッと吹きだした。

「どうして」

「恥ずかしいから」

 ひとりでゆっくり気を抜ける時間もほしい。けど、一番の理由は恥ずかしいからだ。

 お風呂に入ると、服で体形をごまかすということができない。このリアルな腹肉を見られるのはつらい。

「俺はどんな君でも受け止める自信がある」

 肩に置かれた手が、背に回る。私は座ったまま、彼に抱き寄せられた。

「どうかな。まだ決心がつかない?」

「えっと……?」

 決心って、なんの決心だろう。