病院の栄養士は、担当の病棟の患者や外来の患者に、栄養指導をするのが仕事。
患者の食事をどうするかという看護師やドクターの相談にも乗る。
同じ科なので、当然進藤さんも谷口さんを知っている。谷口さんは私と同期入職した栄養士で、仕事ができてみんなに頼りにされている。
「彼女に相談してみればいい。俺よりも、栄養には詳しいはずだから」
「そういえばそうですね」
ダイエットブログなどを見ると、様々なやり方があり混乱した。
手っ取り早く食事を抜いてしまったけど、身近に相談できる人がいたではないか。
「俺は今のままの千紗でもいいけど、千紗が痩せたいというなら止めはしない。だけど、無茶はやめてくれ。バランスのいい食事と、適度な運動で体を整えていこう」
「はい」
バランスのいい食事はなんとかなるとして、適度な運動が難しい。
看護師の仕事が忙しくてキツきつく、いつも帰るときにはぐったりしている。その後の運動まで考える気になれなかったのだ。
自分に甘いと言われればそれまでだけど。



